保険診療と自由診療

歯科治療の
保険診療と自由診療について

保険診療と自由診療

保険診療は治療回数や素材などが国によって指定されています。そのため、自己負担額を抑えた治療が可能ですが、最小限の機能回復までしか対応できないこともあります。
一方で自由診療は、健康保険が適用されない歯科診療全般のことです。全額患者様の自己負担となりますが、素材や治療方法に制限がありません。
これらの違いを知っていただき、ぜひご自身が治療を受けられる際の参考になさってください。

保険診療と自由診療
治療の定義

保険診療とは

保険診療とは、日本の医療制度の一部です。加入している健康保険を利用すれば、日本全国の医療機関で、保険が適用される範囲内の治療を受けることができます。
それぞれの保険に基づき、支払う額は一定の割合になります。基本的な医療サービスを受けられる際に、患者様の個人的な負担が少ないのがメリットです。
ただし、保険診療の範囲内で提供される治療は、使用する薬や材料が決められています。患者様が審美性や快適さを重視する場合、保険診療が適さない可能性もあります。

自由診療とは

自由診療は、厚生労働省が承認していない治療法や材料を用いる診療です。健康保険の適用外となり、全額が患者様の自己負担となります。また、治療費に関しては、それぞれの医院によって異なっているのも特徴です。
自由診療のメリットは、保険診療では扱えない素材や材料を用いて、一人ひとりの患者様に合わせた医療サービスをご提供できる点です。審美面、健康面ともに費用に見合った価値が得られます。

歯科における自由診療

  • 虫歯や歯周病などが無い方の検査や予防処置(フッ素塗布・歯のクリーニング・虫歯菌の検査)
  • セラミック・貴金属を使用したクラウン(かぶせる治療)やブリッジ
  • 歯列矯正
  • 義歯(入れ歯)のうちより快適に使用していただけるもの(ノンクラスプデンチャーなど)
  • インプラント治療
  • 歯のクリーニングやホワイトニングといった美容治療  など

審美歯科や予防歯科はその特性上、健康な歯に施す診療となるため、とくに自由診療に該当することが多いです。

保険診療と自由診療治療の比較表

保険診療 自由診療
治療内容 保険診療では、主に歯を治すことを目的としています。そのため治療法および用いられる材料は、審美性を十分に満たせない場合があります。また、素材によっては長期間利用すると、経年劣化及び健康面にリスクを及ぼす可能性があります。 自由診療では、治療方法をより自由に選択することができます。「治療期間を短くしたい」「より見た目にこだわりたい」といった患者様のご要望に対して、最新の技術を用いた治療で解決可能です。
治療費負担額 保険適用の治療は、患者様の自己負担額が1割~3割となります。正確な割合は年齢や収入、保険の種類によって異なります。
症状ごとに治療方法や使用する材質が明確に定められているので、どこの歯科医院でも同じ費用で治療を受けられるのがメリットです。
自由診療は保険適用外です。治療費は全額自己負担となります。また歯科医院によっても治療費は変わります。その理由として、使用する薬や材料、治療方法がそれぞれの医院で大きく異なるからです。
治療に使用する材質 保険診療において使用される材質には制限があります。例えば、基本的に奥歯の詰め物や被せ物は銀歯を使用するなどの制限です。しかし、金属素材は、患者様によっては金属アレルギーを引き起こすリスクがあります。 自由診療では、使用される材質に制限がありません。セラミックやジルコニアなどの高品質な素材が利用可能です。これらの素材は審美性に優れているだけではなく、経年劣化を起こしにくく、耐久性や適合性にも優れています。汚れや細菌の付着が少ないので、虫歯が再発しにくいのもメリットです。
型取りの印象 保険診療では、型取りの印象材に寒天系を用いることがあります。しかし、寒天系の印象材は水分を多く含んでいるので、乾燥すると縮むのが特徴です。つまり患者様のお口の中を精密に把握することが難しくなる傾向があります。結果的に補綴物を入れた後、隙間が生じるリスクが高まります。 当院の自由診療では、デジタル技術を活用した「光学印象」を使用します。光学スキャナーを用いて口腔内を直接スキャンすることで、精密な型取りが可能です。従来の印象材に比べて、検査がスムーズになり、治療期間も短くなります。

より良い治療成果を出すための自由診療

自由診療においては、患者様のご希望に応じて十分な時間をかけ、きめ細かな治療をご提供することが可能です。審美性、耐久性、機能性、さらには金属アレルギーや歯肉との相性など、さまざまな要素を考慮できます。
当院では、患者様の症例やニーズに応じて、適宜自由診療の素材および治療法をご提案しています。